【機械設計の基礎】公差
機械部品を製作する際、加工により若干の誤差が発生します。
例えば、図面指示は10mmの角穴であっても、実際には10.5mmであったり、9.8mmであったりと正確に加工する事は困難です。
また、一辺の長さとは別に、ある基準面に対し平行にしなければいけない箇所が、並行になっていない場合もあります。
必要な精度が高くなればなるほど、誤差が出てしまうと組み立たなくなったり、正常な動作をしなくなるなど、影響が大きくなります。
このような場面においては、±でそれぞれどのくらいの誤差が許されるかを図面上で指定することが必要です。
指定された寸法の最小値と最大値を「公差」と呼びます。
公差が厳しくない場合でも、あえて指定することで過剰な精密加工を避けることができ、無駄な加工時間や費用を抑えることができます。
公差の種類
1.寸法公差
設計値と現物での寸法がズレても許容できる範囲を指示します。
例:円の直径・円の中心までの長さに寸法公差があります
2.幾何公差
部品の形状が幾何学的(形状や位置)にズレても許容できる範囲を指示します。
例:基準面Aに対しての垂直度、真円度に幾何公差があります