【設計実務】図面の書き方 -公差の考え方➁
製品の内部が狭いため部品間のスキマが厳しい場合や、軸と軸受のような組み付ける部品の寸法が厳しい部品を使用する場合があります。
このように各部品の取り付け位置を厳しく管理する必要がある場合は、公差を設定する必要があります。
※公差についての考え方は会社や個人によって違う事があります。
部署の先輩など、相談できる人に確認しましょう。
例:台座の上にイケールを組み付けて使用するものです。
この後、イケールに他の部品を組み付けます。
前回と同じ部品ですが、イケールに取り付ける部品を変更したことで、使用条件を厳しくしなければならなくなりました。
取り付け部品の使用条件を加味して、どの寸法を重視するかを考えながら取り付け位置を設定しましょう。
この場合は、取り付け位置はあまり厳しくないのですが、角度に注意が必要です。
特にイケール同士は出来る限り平行にしないといけません。
前回の結果から、一般公差では条件を満足できない事がわかっているので、どのように公差を設定するかを考えます。
一番大事なのが角度なので、あまり良いやり方ではないのですが、Φ11穴にM10のねじを通して固定するときに、調整できる位置にお互いの穴があるように計算して設定します。
そのうえで、それぞれの寸法が偏った場合を想定します。
①土台 ②イケール(左) イケール(右)
上図のように偏った寸法で組み付けると、どの程度影響が出るかを確認します。
組み立て担当者は苦労しますが、設定した組み付け条件に入るように、組み立てが出来ることがわかりました。
条件が厳しい時には、ねじとねじ穴だけで固定するような、スキマに余裕のある構造にはしないで、位置決めピンを使うなど、現場での調整をしなくて済む構造にしましょう。
JIS Z 8317-1:2008 製図−寸法及び公差の記入方法− 第1部:一般原則 より抜粋