【設計実務】図面の読み方 第三角法
三次元の部品(物体)を、図面上(紙の上)に二次元であらわすために、投影という方法が使われています。
投影によってかかれた図のことを投影図と呼びます。
投影の例
3D形状の面
↓ 面に投影
投影図
そして、部品の形状を1方向からの投影図だけであらわすことができない場合、他の方向からの投影図が必要になります。
例えば下記のような図面の場合
3種類の図形がありますが、部品3コの図面ではなく1コの部品を3方向からあらわしています。
投影による形状のあらわし方は、JISでは第三角法で製図をするように定められています。
以下抜粋
8 投影法 8.1 一般事項 投影図は、第三角法による。ただし、紙面の都合などで、投影図を第三角法による正しい配置に描けない場合、又は図の一部を第三角法による位置に描くと、かえって図形が理解しにくくなる場合には、第一角法又は相互の関係を8.5に示す矢示法(“やしほう”と読む。)を用いてもよい(JIS Z 8316参照)。 JIS B 0001:2019 機械製図 より抜粋 |
海外や一部業界では違う方法が使われることがありますが、日本では多くの場合で第三角法が使われています。
三角法のルールを知って、図面から部品の形状を読み取れるようになりましょう。
三角法の見方
部品の最も重要な面を正面と設定し、その正面を手前側から見て図面に投影しています。
上記3次元の面を、図面上で表記すると下記画像のようになります。
(上面からの図は上面図だけでなく、平面図とも呼ばれます)
面は6方向ありますが、物体の形状を表すために必要な面があれば良いので、かかれない面もあります。
正面図・平面図・側面図の3面を用いることが多いです。
部品の図面を作成する手順から、逆に図面から重要な所を読みとりましょう。
穴の位置や大きさが重要なので、穴あけがある面を正面とします。
正面図を基準として、他に必要な面がないかを見ます。
折り曲げにより奥行きがあるので、側面図(右側面)と平面図が必要です。
正面図・右側面図・平面図以外の面が必要ない理由ですが、
・左側面図
右側面図と対称の形状になるので、あえて左側面図をかく必要はありません。
・下面図
左側面図と同様に、平面図があるので必要ありません。
・背面図
正面図からの情報だけで全て指示できるので必要ありません。
このように判断しています。
図面は下記画像のようになります。
ここに寸法を記入して図面は完成です。
大体このような考えで図面は作られます。