【三価クロメート】三価クロメート
三価クロメート
三価クロメートとは
亜鉛めっき後の後処理として、クロム酸塩の溶液に浸漬する処理をクロメート処理といいます。
クロメート処理は、化成処理の代表格であり、化成処理により薄い防錆被膜を形成させる処理です。もともと亜鉛めっき自体が持っている自己犠牲による保護機能に対し、さらなる耐食性の向上や、塗装下地用として密着性の向上などにとても有効です。
六価クロメートとの違い
半世紀にわたり、亜鉛めっきの後処理は六価クロムを含むクロメート処理が主流でした。
しかし、2003年2月に公布(2006年7月施行)されたRoHS指令(電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用を制限する指令)や、RoHS指令とともに公布されたWEEE指令(廃電気・電子製品に関する欧州連合の指令)、それ以前の2000年10月に施行されたELV指令(廃自動車指令)等の発効により、カドミウム、鉛、水銀などとともに六価クロムが規制されるなか、六価クロムを含む六価クロメート処理の代替処理として開発・普及したのが三価クロメート処理です。
呼び方について
三価クロメートは他にも、三価ホワイト、三価ユニクロなど複数の呼称があります。
しかし、この「三価クロメート」と言われる処理に正式名称は無く、「三価クロムを使用した化成処理」の俗称となっています。
また、三価クロムのクロメート処理のJIS表記は決められていないことから、現状は可能な限りJISに従って表記し注釈として「三価クロメート」を追記するなどして表記しています。
特徴
機械加工された比較的複雑な形状に対しても、ほぼ均一な厚さでめっきすることができ、量産加工も容易です。外観色調はユニクロ(青白色)に近い白色系となります。
また、より耐食性を重視する場合は、膜厚を厚くしたり、有色クロメート(虹色、淡い黄金色)や黒色クロメートが有効です。
【三価クロメートの処理効果】
・耐食性の向上
・光沢性や外観向上。
・塗料や染料などの密着性の向上。
・長期間による白さび(水酸化亜鉛)発生を防止。
・汚れや指紋がつきにくい。