補助記号 ▭(枠)の使い方
補助記号 ▭ (枠)の使い方
▭(枠)は、寸法や長さなどを長方形の枠で囲むことによって「理論的に正確な寸法」を指示するための補助記号として使用します。
「理論的に正確な寸法」はTED:Theoretically Exact Dimensionとも呼ばれます。(以後、「理論的に正確な寸法」をTEDと表記します。)
TEDは幾何公差と組み合わせたりして、形状が複雑で計測できない所でも指示することができます。
公差については【機械設計の基礎】公差(※1)をご参照ください。
▭(枠)を用いたTEDの図面指示の表し方
下記図の通り、寸法数値を四角い枠で囲みTEDとして指示します。
TEDの使い方
例:穴の位置を正確に指定したい場合
図面上は図面1のようになります。
一般公差を指示した図面の場合
図面1に、一般公差(「±0.3」「±0.2」など)が入るので図面2のようになります。
幾何公差である位置度公差を指示した図面の場合
図面2では寸法公差によるズレが大きいため、図面3の通り位置度公差を指定します。
公差記入枠については【機械設計の基礎】幾何公差-図面指示(※2)をご参照ください。
寸法をTEDにより指示した場合
図面3では寸法公差と矛盾しているので、図面4のように寸法をTEDによる指示にします。
上記のようにTEDには公差が適用されないので、矛盾が解消されます。
なお、この場合の公差は、位置度公差だけが適用されています。
このように形状が複雑で計測できない所でも、TEDで指示することが可能になります。
(※1)【機械設計の基礎】公差について
(※2)【機械設計の基礎】幾何公差-図面指示