新材料の紹介:アルミブスバー
今回の記事では、設計者の方が材料についてより詳しく知っていただき、設計に活かすことができるよう、新材料を紹介いたします。
アルミブスバーとは
技術情報に掲載した銅ブスバーにくらべ、比較的新しい材料としてアルミブスバーがあります。
銅ブスバーとの特性を比較をメインにご紹介いたします。
※参考記事:銅ブスバー |
ブスバーで使用される電気伝導性の高い材質の一例
記号 | 比重 | 導電率 | 引張強さ | 耐力 | ||
%IACS(20℃) | N/mm2 | N/mm2 | ||||
純銅 | C1020 O | 8.9 | 100以上 | 195 | 76 | JIS H3140より抜粋 |
純アルミ | A1060P | 2.7 | 62以上 | 70 | 30 | 双葉電子工業カタログより抜粋 |
※ブスバーに使用される材料は上記2種だけではありません。メーカーによって多種多様な材質でブスバーが製造されています。
使用用途
電気自動車やハイブリッド自動車業界
・リチウムイオン電池間の接続
・ジャンクションブロックやパワーコントロールユニット
電流計など装置業界
・リレーやブレーカーなど、装置間の接続
銅とアルミの違い
1.軽量
純銅と比較して純アルミの比重は約1/3と大幅に軽くなります。
純アルミの導電率は約62%なので、その分体積を大きくとる必要がありますが、約1.6~2倍なので差し引いても軽量となります。
体積を大きくとる必要があるため、狭い空間には不向きです。
2.コストダウン
銅とアルミの相場価格を見ると、銅はアルミの約2.5倍の価格になります。
3.加工性
板材から形状を抜く場合、タレパンよりもレーザーで抜いた方が形状の自由度が上がります。
しかし、銅は反射率が高いため、炭酸ガスレーザーではレーザーの反射により機械の故障する
恐れがあります(ファイバーレーザー加工機であれば加工することが可能です)。
アルミであればレーザー加工機を選択する必要がありません。
4.耐食性
銅は表面が錆びることにより、表面の錆が保護皮膜の役割を果たし金属内部の腐食を防ぎます。
このため耐食性の高い金属ではありますが、変色するため美観は損なわれます。
アルミは空気中で腐食を防止する酸化被膜を形成するので、高い耐食性を得ています。
表面処理を施すことで、耐食性を向上させることが可能です。
まとめ
銅とアルミの特性によって、使い分けることでコストダウンや性能向上など、様々なメリットがあります。
弊社でご相談に応じることもできるので、気になる方はぜひKabuku Connectをご利用ください!