3Dプリンター 活用事例(建築業界)
今回のブログでは、建築業界における 3Dプリンター 活用事例をご紹介致します。
日本では建築基準の厳しさ等の背景で実用化は進んでおりませんが、
将来的に同じような事例が登場する可能性も考えられます。
ドバイの事例
AM製造対象品:窓、ドア等一部を除いた建築物全て
ポイント:
・世界初の3Dプリント・コマーシャルビルディングで、ギネスブックにも登録されている
・約73坪、建設期間は17 日
・従来の現地での建築方法と比較し作業員50%、建設コスト20%、建設廃棄物60%の削減に成功
・ドバイは国としても今後 AM 技術を活用した建築物の建設に力を入れていく方針を示している
ベルギーの事例
AM製造対象品:屋根、フロア、窓、ドア、プラミングを覗いた建屋部分
ポイント:
・ベルギーの建築会社 Kamp C 社によって施工された
・91平方メートルの2階建て、建設期間は約3週間
・材料はファイバーを混ぜたコンクリートで、従来のヨーロッパの建築工法との親和性が高い
参照元:
https://sekapri.com/%e5%bb%ba%e8%a8%ad/20200815-11221/
https://www.3dprintingmedia.network/kamp-c-completes-first-two-story-3d-printed-house-built-on-location-for-c3po-project/
Italcementi社の事例
AM製造対象品:建築物用材料の開発
ポイント:
・同社は元々セメント製造会社
・2015年より建築物を3Dプリントする、という点に着目し、専用の材料開発をスタート
・2018年時点で15名からなる専門チームが累計15,000時間以上を研究に費やしている
・研究開発のパートナーとして世界各国の材料開発会社、大学研究機関、スタートアップ企業と連携
・開発が完了すれば、既存の建築物における制約などを破り、建築物におけるマスカスタムも容易になると見込まれている
まとめ
冒頭に書いたとおり、日本ではまだ建築物におけるAM技術の活用や事例はありません。
しかし世界規模で見ると、実際に色々な国で実験や実例があります。
(上記で紹介した記事以外にも、中国、USA、ロシアでも類似した取り組みが行われています)
それを踏まえて、Italcementi社の様に先を見据えて専用の材料を開発する企業も出ています。
日本においても、一般的な住宅やオフィスへの実用は難しくとも、
災害時の一時的なプレハブや仮設住宅に使用されるケースは近い将来あってもおかしくなさそうです。