3Dプリンター活用事例(航空宇宙 part2)
今回のブログでは、航空宇宙における 3Dプリンタ活用事例をご紹介致します。
メインの内容としては3Dプリンタ(AM) を活用した軽量化と低燃費化になります。
ダイモン社の事例
AM製造対象品:月面ロボット「YAOKI」の全部品中約9割
ポイント:
・「YAOKI」は米Astroboticの月着陸船「Peregrine」に搭載される予定のロボット
・最大のポイントは小型軽量かで、サイズ 150×150×100(mm)で、重さは600g
・従来の4輪タイプの月面探査クローラーと比較して体積比50分の1以下、重量比10分の1以下を実現
・1kg当たり約1.2億円かかるといわれる月輸送コストを大幅に削減可能な見込み
参照元:
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1910/17/news014.html
Materialise&Atos社の事例
AM製造対象品:人工衛星用ジョイント部品
ポイント:
・人工衛星を軌道に乗せる際、重量1kgあたりに約200万円の打ち上げ費用がかかる
・ジョイント部分に求められるのは強度重量比
・本プロジェクトでは設計を 0 から見直し、従来のソリッド形状から内部を格子状にしたサンドイッチ形状に変更
・従来の1454grの部品を500grまで軽量化に成功すると共に、製造リードタイムも短縮することに成功
ほぼ1kg軽量化しているため、打ち上げ費用も約200万円のコストダウンに成功していることになる。
参照元:
https://www.materialise.com/ja/blog/metal-3d-printing-titanium-spacecraft-satellite-part
CFM International社の事例
AM製造対象品:航空機向けジェットエンジン部品
ポイント:
・CFM International は世界最大の航空機エンジンの製造会社
・プリント部品を採用したエンジンは「LEAP-1B」シリーズのエンジンで、ボーイング 737 MAX機に採用
・具体的な内部部品の詳細や形状は非公開だが、燃料効率を15%向上させることに成功
・同社は今後、エンジン周りの部品でのAM技術の採用は増えていくと見込んでいる
今回ご紹介した航空宇宙分野は比較的長い研究機関や慎重さ、そして厳しい基準を満たす必要がある業界です。
しばしばAM技術で作られた部品は脆いという印象を持たれている方がいますが、
上記事例に代表されるように実際は設計次第で強度を維持したまま軽量化できることが実証されています。
航空有空分野に関わらず、軽量化や形状最適化にご興味があれば是非一度弊社にお問い合わせ下さい。