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4F材(4面フライス)と6F材(6面フライス)の違い

はじめに

製造業において、特に金属を扱う仕事をしている、または仕事をしようとしている人なら1度は聞いた事がある、4F材と6F材。初めて聞いてネットで検索してみたり、聞いた事はあるが詳細が気になり本記事に辿り着いた人が多いと思います。

 

今回は弊社のグループ会社である双葉電子工業株式会社の規格を一部引用し、詳細を説明していきたいと思います。

 

4F材とは

4F(よんえふ)とは主にアルミなどの角プレートをフライス仕上げした材料の名称です。

 

4F材になる前の工程を少し説明します。

鋼材を製造するには、大きく工法を分けて2つの方法があり、一つは冷間圧延、もう一つは熱間圧延と呼びます。こちらでは冷間圧延という加工法を説明します。

 

冷間圧延という加工法は、2つの回転したローラーに材料を通す事により、板などの形状に加工する方法です。このとき、ローラーによって均一な寸法に保たれているため、板厚方向の精度はある程度は保証されます。よって板厚方向はキレイな素地面となります。

 

このとき問題になるのが、側面4面の精度です。材料をだいたいの寸法に裁断はしますが、このままではプレートとして売ることはできません。

 

ここで4Fの登場です。4Fとは4面フライスの略称で、文字通りプレートの4側面をフライス加工で指定された精度に加工する事を指します。

 

4側面のみフライス仕上げなので、6面すべてを加工する6F材より安価に調達する事が可能です。

ここでアルミ4F材の寸法許容差を記載します。

 

双葉電子工業株式会社<4面フライス>精度規格より抜粋

板厚許容差:並級

材質:A5052

板厚許容差:並級

材質:A2017

厚さ(T)㎜ Tの許容差 厚さ(T)㎜ Tの許容差
3 ±0.15 3 ±0.15
4 ±0.18 4 ±0.35
5 ±0.18 5 ±0.35
6 ±0.2 6 ±0.45
7 ±0.2
8 ±0.3 8 ±0.5
9 ±0.3
10 ±0.3 10 ±0.6
12 ±0.4 12 ±0.7
15 ±0.4 15 ±0.7
16 ±0.4
18 ±0.4 18 ±0.8
20 ±0.5 20 ±0.8
22 ±0.5 22 ±0.9
25 ±0.5 25 ±0.9
30 ±0.6 30 ±1.0
35 ±0.6 35 ±1.0
40 ±0.6 40 ±1.1
45 ±0.6 45 ±1.3
50 ±0.75 50 ±1.3

 

  長さ(L)の製作範囲
10以上 50未満 50以上 400以下 400を超え 1000以下
幅 (W) の 製 作 範 囲 10以上 50未満 寸法許容差 幅(w):±0.05 長さ(L):±0.05 寸法許容差 幅(w):±0.1 長さ(L):±0.1
50以上 400以下 寸法許容差 幅(w):±0.1 長さ(L):±0.15
400を超え 500以下 寸法許容差 幅(w):±0.1 長さ(L):±0.15


冷間圧延後、裁断された板

ご覧の通り、板厚方向の寸法公差は素地のままなので、寸法許容差が大きい事が分かります。板厚方向で高精度の寸法要求がない場合、4F材で十分と言えるでしょう。

 

6F材とは

6F(ろくえふ)とは、4Fの規格にない板厚寸法が必要な場合や、4Fの規格よりも精度の高い公差を要求される場合に使用されます。

つまり4F材より高精度なのが6面体の角プレートです。

 

4Fが側面フライス仕上げであるのに対し、6Fは側面+板厚方向(上下面)の全面をフライス仕上げします。

 

こちらでも6F材になる前の工程を説明します。

 

前述では冷間圧延を説明しましたが、こちらでは熱間圧延を説明します。

熱間圧延という加工法は真っ赤になるまで熱した材料をロールで圧延する方法です。このときに高温の素材表面が酸素と化合することにより、酸化被膜が形成されます。素材表面は凹凸になり金属の光沢は失われ、寸法精度の低い鋼材となります。この時の素材を『黒皮材』などと言います。

 

加工メーカによっては黒皮のまま安価に仕入れて自社でフライス仕上げをおこなったりする事もあるようです。しかし、酸化被膜に覆われた黒皮は内部の鉄鋼そのものよりも硬く、工具の摩耗が早くなったり、損傷したりしてしまう可能性があります。工数削減や、原価低減するのであれば断然、6面体加工した材料を仕入れる方が総合的に見てお得と言えるでしょう。

 

ここで6F材の寸法許容差を記載します。

 

W,L,Tの寸法許容差(㎜) 双葉電子工業株式会社<6面フライス>精度規格より抜粋

T寸法(㎜) L寸法(㎜)
   20以上 200以下 200を超え 400以下 400を超え 800以下 800を超え 1300以下 1300を超え 1500以下
5以上 10未満 指示なき場合の寸法許容差0~+0.1 指定可能な寸法許容差 最小0.1 指示なき場合の寸法許容差0~+0.1 指定可能な寸法許容差 最小0.1
10以上 15未満 指示なき場合の寸法許容差0~+0.1 指定可能な寸法許容差 最小0.1
15以上 230以下 指示なき場合の寸法許容差0~+0.1 指定可能な寸法許容差 最小0.1

 

Tの両面平面度 

T寸法
L寸法
100未満 100以上 1500以下
5以上 10未満 0.05以下 100㎜につき0.05以下
10以上 15未満 0.04以下 100㎜につき0.04以下
15以上 25未満 0.03以下 100㎜につき0.03以下
25以上 40未満 0.02以下 100㎜につき0.02以下
40以上 230未満 0.015以下 100㎜につき0.015以下

 

厚さ(T)の均一度 

L寸法 100未満 100以上 1500以下
厚さ(T)の均一度 0.02以下 100㎜につき0.02以下

 

ご覧の通り、4F材と比べて板厚方向が高精度になります。

 

まとめ

今回は4Fと6Fってなに?に焦点を当てましたが、これ以外にも仕上げ方法はあります。今後は、6F2RGや.6SGなどの仕上げ方法についても違いの分かる記事を書いていきます。

 

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