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リードタイム 第1回 リードタイムとは

リードタイムとは


プロジェクトの開始から作業にかかる期間(所要時間)のことで、工程ごとに「開発期間」や「調達期間」のように表すこともあります。

※各リードタイムは一例です。業界や会社によってやり方が違うところや、文言が違うところもあります。
また、顧客目線でのリードタイムは、発注から納品までとなります。

 

開発トータルリードタイムと顧客目線のリードタイム

 

開発は大きく分けて4工程ですが、案件によってはその他にも様々な工程が発生することもあります。

 

1.納期との違い

納期とは、製品を納める期限のことで、リードタイムとは異なります。

2.リードタイムの計算

リードタイムの計算方法は、主にフォワード法とバックフォワード法の2種類あります。
どちらの方法で計算する場合でも、先に開発に必要な工程を決めます。

製品開発に必要な工程

 

フォワード法

作業開始日から各工程のリードタイムを計算して納期を決めます。

  例:作業開始日を4月1日とします。

フォーワード法 開始

 

  ⑴開発リードタイムは120日

フォワード法 開発リードタイム

 

  ⑵調達リードタイムは30日

フォワード法 調達リードタイム

 

  ⑶生産リードタイムは60日

フォワード法 生産リードタイム

 

  ⑷輸送リードタイムは8日

フォワード法 輸送リードタイム

 

全リードタイムを合算すると218日なので、納期は11月5日になります。

フォワードリードタイム

 

バックフォワード法

決まっている納期から逆算して各工程のリードタイムを決めます。

 

  例:納期を11月5日とします。

バックフォワード法納期

 

  ⑴開発リードタイムは120日

バックフォワード法 開発リードタイム

 

 

  ⑵調達リードタイムは30日

バックフォワード法調達リードタイム

 

 

  ⑶生産リードタイムは60日

バックフォワード法 生産リードタイム

 

 

  ⑷輸送リードタイムは8日

バックフォワード法輸送リードタイム

 

 

全リードタイムを合算すると218日なので、逆算して作業開始は4月1日とします。

フォワードリードタイム

 

3.各リードタイムでやること

開発リードタイム

開発リードタイム

※この工程はない場合もあります。

新しい製品開発の企画が始まり、設計~生産準備までのプロセスに要する期間です。
この工程をどこまで詰められるかで製品の実性能が決定的になります。
製品の仕様を満足するために電気や機械・ソフトウェアなどの各種設計をして、必要であれば試作品により試験・実験を繰り返して詳細を詰めていく工程と、製造工場の選定や生産ライン、金型の作りこみをする生産準備の工程までが開発期間となります。
追加生産のように、過去に生産したことのある製品の場合は開発期間が発生しません。

 

調達リードタイム

調達リードタイム


開発が完了して部材の発注~生産現場に搬入されるまでのプロセスに要する期間です。

この工程をしっかりやっておかないと、生産工程のリードタイムに影響が出ます。
製造に必要な原材料や機械要素などの部材を発注し、納品と受入検査をしてから、生産工場や生産ラインなどの製造現場へ搬入します。
生産計画によりますが、原材料の発注は工場で行う場合や、在庫を使う場合も多くあります。(試作品や単発の製品は殆ど工場在庫が使われています)
部品や材料の流通や価格の変動を把握する、部品購入先のリードタイムを計算するといった、安定して調達するための計画を立てる必要があります。
また、部品の在庫管理も同時にしなければなりません。

 

生産リードタイム

生産リードタイム


部材が搬入されて製造開始~検査までのプロセスに要する期間です。

この工程の出来具合がそのまま製品の品質に影響します。
製造に必要な部材の加工と購入した部品を集約して、組み立て(システムの組み込み)とシステムの調整作業後に、必要な検査に合格してようやく製品の完成となります。
各部品の加工時間、組み立て作業、検査とそれぞれにリードタイムが発生します。
更に、各工程の間に待機時間が発生することも計算しなければなりません。
工場では加工工程によっては待ち時間が発生するし、場所が離れていたら次工程の場所に運搬する時間も必要です。
検査も外部の検査場や特殊な装置で行う場合は、空きがないと待ち時間が発生します。
また、部品の加工不良も多少は発生しても良いように計算に入れておきます。
全ての作業を同じ敷地で出来るならあまり気にならないところですが、そうでなければ気を付ける必要があります。
待機時間を忘れていると、リードタイムが予定より伸びてしまうことになり、部材を置くスペースが足りなくなるなどの問題も起こります。

 

輸送リードタイム

輸送リードタイム


製品の出荷~納品先に受け入れられるまでのプロセスに要する時間です。

梱包して配送できる状態にする出荷作業にかかる出荷リードタイムと、出荷してから客先に到着するまでの輸送リードタイムがかかるので、覚えておきましょう。
梱包の仕方が悪いと製品が擦れてキズが付く、輸送時の衝撃で製品同士が衝突して破損してしまうなど、納品後の不良品が発生する原因になるので事前に考えておきましょう。

 

4.まとめ

製品の開発には沢山の人が関わっていて、色々な工程を経て完成に至ります。
各工程の担当者が自分のする仕事をいつ始めていつまでに終わっている必要があるのかを明確に把握していないと、作業が前後したり、後工程の待機時間が長くなるなどの問題が起きやすくなります。
その結果リードタイムが延びて、納期に間に合わなくなったり、無駄な待機時間の発生によるコスト増加にも繋がります。

 

 

 

 

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