SUS420J2
SUS420J2の特徴
SUS420J2は、マルテンサイト系に分類されるステンレス鋼の一種です。成分的な特徴として、炭素の割合が高いことが挙げられます。そのため限りなく鉄に近い性質を有しており、錆が出やすいことがデメリットですが、一方で焼入れ後の硬度が高い鋼種でもあり、焼入れ・焼き戻しなど熱処理により高強度と高硬度が得られます。
SUS420J2の使用用途
炭素量が一般的なSUS材よりも多く、熱処理後の高強度・高硬度が特徴のSUS420J2は、バルブや刃物、スプリング、板バネ、ピン、プラスチック用の金型、弁座、直尺、ノズル、医療機器、シャフトなど、耐熱性、耐摩耗性の用途に適しています。
化学成分
(%)
C |
Si |
Mn |
P |
S |
0.26~0.40 |
1.00以下 |
1.00以下 |
0.040以下 |
0.030以下 |
Ni |
Cr |
Mo |
||
0.60以下 |
12.0~14.0 |
0.75以下 |
SUS420J2の物理的性質
密度 [g/cm3] |
熱伝導率 [W/(m・K)] |
比熱 [J/(g・℃)] |
ヤング率 (縦弾性係数) [GPa] |
ポアソン比 |
7.75 |
24.7 |
0.46 |
200 |
0.3 |
SUS420J2の機械的性質
項目 |
代表値 |
|
焼きなまし |
焼入れ焼戻し |
|
引張り強さ[N/mm2] |
540以上 |
740以上 |
伸び[%] |
18以上 |
12以上 |
絞り[%] |
– |
40以上 |
シャルピー衝撃値[J/cm2] |
– |
29以上 |
ブリネル硬さ[HBW] |
235以下 |
217以上 |
ビッカース硬さ[HV] |
247以下 |
220以上 |
*焼戻し温度:204℃