HPM1
硬さ40HRCクラスの快削プリハードン鋼です。
HPM1の特徴
被削性が40HRCクラスとしては良好であり、切削仕上がり肌が良いため、プラスチック金型などにおける後工程のみがき作業に有利です。
放電加工や溶接による表面硬化も少なく、仕上げ加工が容易です。
窒化処理により表面硬さを700HV(60HRC)以上に効硬化させることができます。その他、溶接性にも優れています。
HPM7は、日立金属株式会社の商品名です。
プラスチック金型・プレス金型用鋼における同等品は以下の対照表をご参照ください。(双葉電子工業調べ)
プラスチック金型用鋼ブランド対照表
使用時の硬さ | 相当規格 | 双葉規格品 | 材料メーカー | |||
---|---|---|---|---|---|---|
日立金属 | 大同特殊鋼 | 日本高周波鋼業 | 山陽特殊製鋼 | |||
40 |
JIS:析出硬化系AISI:P21 |
HPM1 |
HPM1 | NAK55 | KAP65 | PCM40 |
プレス金型用鋼ブランド対照表
使用時の硬さ | 相当規格 | 双葉規格品 | 材料メーカー | |||
---|---|---|---|---|---|---|
日立金属 | 大同特殊鋼 | 日本高周波鋼業 | 山陽特殊製鋼 | |||
40 |
JIS:析出硬化系AISI:P21 |
HPM1 |
HPM1 | NAK55 | KAP65 | PCM40 |
HPM1の諸特性
機械的特性
採取方向 | 硬さHRC | 0.2%耐力N/mm2 (kgf/mm2) |
引張強さN/mm2 (kgf/mm2) |
伸び% | 絞り% | シャルビー衝撃値J/cm2 (kgf・m/cm2) |
---|---|---|---|---|---|---|
L | 40 | 1029 (105) |
1225 (125) |
18 | 40 | 15 (1.5) |
T | 40 | 1010 (103) |
1216 (124) |
10 | 25 | 10 (1.0) |
熱膨張係数
熱膨張係 10⁻⁶/℃ | |||
---|---|---|---|
20~100℃ | 20~200℃ | 20~300℃ | 20~400℃ |
11.4 | 11.8 | 12.3 | 12.8 |
熱伝導率
熱伝導率 W/(m・℃)(cal/cm・sec・℃) | ||||
---|---|---|---|---|
20℃ | 100℃ | 200℃ | 300℃ | 400℃ |
32.7 (0.078) |
33.1 (0.079) |
33.5 (0.080) |
34.7 (0.083) |
34.7 (0.083) |
耐圧強度
HPM1 | S50C | SCM440 | ||
---|---|---|---|---|
熱処理 硬さ 耐圧縮強度指数 |
焼入焼戻し 52 170 |
焼なまし 34 100 |
焼なまし 34 100 |
焼入焼戻し 41 130 |
(指数はS50Cを100とした場合の比較値)
窒化特性
再加熱特性
双葉電子工業㈱「プレート総合カタログ レッドブック」 より 抜粋
※機械的特性は、使用する機械、ビルド条件や測定条件によって異なることがあります。