SCM440
SCM440の特徴
通称クロモリと呼ばれ、クロム鋼にモリブデンを加えた合金鋼です。
引張強度が高く焼入れ性もよいため、熱処理後も強靭性を保つ靭性に優れた材料といえます。
一般機械用部品にも多く使用されています。
化学成分
化学組成(%) | |||||||||
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C | Si | Mn | P | S | Ni | Cr | Mo | Cu | |
SCM440 | 0.38~0.43 | 0.15~0.35 | 0.60~0.90 | 0.030以下 | 0.030以下 | 0.25以下 | 0.90~1.20 | 0.15~0.30 | 0.30以下 |
SCM440の物理的性質
密度 [g/cm³] |
ヤング率 (縦弾性係数) [GPa] |
剛性率 (横弾性係数) [GPa] |
ポアソン比 | |
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SCM440 | 7.81~7.82 | 210~214 | 82~83 | 0.28~0.29 |
SCM440の機械的性質
項目 | 代表値 | ||
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焼きならし | 焼きなまし | 焼入れ焼戻し | |
降伏点または耐力[N/mm²] | – | – | 835以上 |
引張り強さ[N/mm²] | – | – | 980以上 |
伸び[%] | – | – | 12以上 |
絞り[%] | – | – | 45以上 |
シャルピー衝撃値[J/cm²] | – | – | 59以上 |
硬さ[HBW] | – | – | 285~352 |
SCM435との違い
異なるのは炭素の含有量で、SCM440は0.38〜0.43%、SCM435は0.33〜0.38%と若干の差があります。
主に部品に必要とされる硬度・強度によって使い分けされます。
歯車や軸といった部品において、SCM435よりも強度が必要な場合にSCM440が選定されることがあります。