SPCC(冷間圧延鋼板)
SPCCとは、主に、曲げ加工やプレス加工、簡単な絞り加工を施すのに適した材質で、柔らかく、成形性・加工性に優れた特徴をもちます。
SPCCの特徴
SPCCは冷間圧延鋼板の中では一般的な用途で使われます。 ミガキ材、圧延材、コールドとも呼ばれています。 加工性が良く、プレス加工ではパンチや曲げの他、簡単な絞り加工(深絞りには不向き)まで幅広く使うことができます。 製造後のSPCCには油が塗られているのでキレイに見えますが、加工後にメッキや塗装処理をしないと確実に錆びてしまいます。 仕上げによって末尾に2種類の記号がつき、SPCC-SDは通常仕上げやダル仕上げと呼ばれます。SPCC-SBは鏡面仕上げ、ブライト仕上げと呼ばれます。
SPCCの用途
流通量が多く加工性が良いことから、工業製品から建築資材まで、様々な箇所に使用されています。 ・自動車の外板 ・家電製品の部品 ・配電盤部品 ・屋内装置の筐体 等
SPCCの化学成分
材料 | 成分規格 | |||
---|---|---|---|---|
C | Mn | P | S | |
SPCC | 0.15以下 | 1.00以下 | 0.010以下 | 0.035以下 |
※JIS G 3141:2017より抜粋
SPCCの機械的性質
SPCC自体には引張強さ及び伸びの規格はありませんが、保証したものをSPCCTといいます。 ここではSPCCTの機械的性質を記載します。
板厚(mm) | 0.20未満 | 0.20~0.24 | 0.25~0.29 | 0.30~0.39 | 0.40~0.59 | 0.60~0.99 | 1.0~1.59 | 1.6~2.49 | 2.5~ |
伸び(%) | 23以上 | 25以上 | 28以上 | 31以上 | 34以上 | 36以上 | 37以上 | 38以上 | 39以上 |
引張強さ:270 N/mm2 以上