【設計実務】ザグリ加工の使い方
ザグリ加工の使い方
ザグリには、ボルトなどの座面と接触する部位を平滑にするための浅ザグリと、ボルトの頭などの飛び出るものを埋め込むための深ザグリがあります。
用途によって浅ザグリと深ザグリを使い分けます。
※ザグリ記号については【技術情報:技術基礎】 補助記号 ザグリの使い方(※1)をご参照ください。
浅ザグリについて
浅ザグリを使う場合
1.表面が粗く凸凹している部品に対して、ねじ底や座金など座面と接触する面を平滑にしたい時に使います。
【例】ねじとの接触面が平滑でない場合
2.ねじ類などのスペースを確保したい時に使います。
【例】ねじのスペースが満足にとれないため、ねじ(座金)が部品と干渉してしまう場合
浅ザグリの注意点
ザグリ加工の方法はいくつかあり、どの加工方法でも丸穴よりも加工コストが高くなります。
機械加工をした面に浅ザグリ加工をしたり、スペースに余裕があるのに深ザグリ加工をしては、無駄にコストが高くなります。
必要な面だけにザグリ加工をするようにしましょう。
深ザグリについて
深ザグリを使う場合
1.ボルトの頭などの飛び出るものを埋め込むために深ザグリ加工をします。
例えば、狭い機械構造の内部で部品をねじ締結する時に干渉を避けるためや、外に飛び出しているねじ頭に服などを引っ掛けて破損したくない時に使います。
この時のザグリの寸法はねじの種類とサイズで決めます。
【例】ねじ頭が外に飛び出して引っ掛かる場合
深ザグリの注意点
深ザグリをする場合、組み立て時を想定して、ねじの種類や締結方法を考える必要があります。
例えば六角ボルトを使う場合、ザグリの中にボルトの頭が埋まるため、通常のレンチで締め付けることができません。そのため、組み立てるときにソケットレンチ(ボックスレンチ)などの工具が入るようにザグリ穴の径を大きくするか、六角穴付きボルトなどに変更する必要があります。
スムーズな組み立てを実現するために、ねじの種類や締結方法を十分に考慮しましょう。
(※1)【技術情報:技術基礎】 補助記号 ザグリの使い方