【設計実務】図面の書き方 -公差の考え方①
公差を設定するためには、部品を組み付ける位置が重要です。
他の部品との位置関係や、性能を損なわないようにしなければなりません。
その逆に、スペースに余裕がある配置なのに厳しく設定し過ぎてしまうと、今度は納期が長くなったり、コストが高くなったりと、別の問題が発生してきます。
部品の配置や使い方など、様々な観点から考慮して公差を設定できるようになりましょう。
まずは、個別に公差を設定しないで、一般公差でよいことを確認してみましょう。
イケール・台座の例
台座の上にイケールを組み付けて使用するものです。
この後、イケールに他の部品を組み付けます。
公差を設定するために重要なのは、イケールが設計値(位置)からどの程度ズレても許容できるかになります。
周囲の状況や使い方を考慮して条件を設定したところ、下記図のようになりました。
このような場合、各部品のどの寸法に公差が必要になるかを考えましょう。
①土台 ②イケール
一般公差(中級)を適用すると、下記のようになります。
それぞれの寸法が偏った場合を想定します。
上図のように偏った寸法で組み付けると、どの程度影響が出るかを確認します。
色々とズレてはいますが、許容範囲に収まっているので、一般公差(中級)で製作してもよいとなります。
実際に部品の寸法を変更して、3DCADならアセンブリで確認するとわかりやすいのですが、変更した部品データを元に戻すことを忘れてはいけません。
また、手間と時間がかかるので慣れたら計算で出せるようになりましょう。
JIS Z 8317-1:2008 製図−寸法及び公差の記入方法− 第1部:一般原則 より抜粋