【機械設計の基礎】幾何公差-基礎知識
幾何公差とは、大きさを決める寸法とは別に、部品の形状自体への誤差を許容できる値を問題が起こらない範囲に収まるように指示するものです。
例えば、相手部品側に通して使用する、真直ぐの丸棒で、両端の面は平行な部品が欲しいときに、下記図のような寸法公差だけだと、実際に出来た部品は真直ぐでは無い可能性があります。
出来上がった部品が下記図のように歪んでいても、直径を両端で、長さ方向を端と端で計測すると、寸法公差内に収まっていることになります。
これでは目的に合った使い方はできませんが、図面通りには出来ていることになります。
こういった問題を避けるために、幾何公差によって形状を指定する必要があります。
幾何公差の分別
・単独形体の幾何公差
真直度や真円度といった、単独で形状自体に幾何公差を指定するもの。
・関連形体の幾何公差
平行度や直角度といった、基準となる相手(データム)に対して指定するもの。
・形状公差
平面や直線など、形状自体に対して指定します。
・姿勢公差
平行や直角など、データムに関連した姿勢に対して指定します。
・位置公差
位置度や同軸度など、データムに関連した位置に対して指定します。
・振れ公差
ある直線を軸に回転させ、データムに関連した回転する形体の表面に対して指定します。円周方向と軸線方向に対して指定できます。
・データム
形体の姿勢公差・位置公差・振れ公差などを規制するために設定した理論的に正確な幾何学的基準。
基準とする平面、軸線や中心平面に対して指定します。
JIS Z 8114:1999 より抜粋