【設計実務】寸法の入れ方 かっこ寸法の使い方
かっこ寸法とは、寸法値をかっこで囲うことで参考寸法と定義します。
図面として精度が必要な数値ではなく、参考程度に記載する寸法です。
(数値) のように表記します。
全ての寸法を正式な寸法値とすると、矛盾してしまう場合があります。
そういう時に、一部をかっこ寸法にすることで、矛盾を解消できます。
例えば、穴位置と最大外形に寸法を入れた図面の場合、
普通公差を適用すると下記になります。
穴位置に入れた各寸法の公差を最大の場合で計算すると、外形寸法の公差が±4.8となりますが、最大外形の公差が±1.2なので矛盾しています。
工場で加工する際に、どの寸法を守れば良いかがわからないので、困ってしまいます。
また、各穴位置の公差を厳しくすると無駄な工数がかかります。
こういう場合に、寸法を1カ所かっこ寸法にして矛盾を解消します。
1.穴位置の公差を1カ所かっこ寸法にする
※右端の穴と右側面との寸法を気にしなくても良い場合
こうすることで、外形寸法の公差を守りながら、基準からの穴位置が大きくズレることはありません。
2.外形寸法をかっこ寸法にする
※部品のサイズを気にしなくても良い場合
こうすることで、基準からの穴位置と右側面との関係を含めて、穴位置が大きくズレることはありません。