【3Dプリンター】金属3Dプリンターの造形方式:DED
造形方式「DED」とは
金属3Dプリンターの造形方式の一つであるDED方式は、溶融した材料を指定された部分に蒸着し、そこで固化させる方法です。 DEDプロセスには金属粉末を材料とするレーザビーム方式と、金属ワイヤを材料とするアーク放電方式があります。ワイヤーはあらかじめ形成された形状のため造形精度が劣りますが、粉末造形方式(PBF)と比較すると必要な材料だけを使用するため材料効率が高くなります。
典型的なDED装置は、4軸や5軸の多軸アームに取り付けられたノズルから構成されるためどの角度からでも蒸着できます。なお、この技術は、特定の用途や方法によって、LENS(Laser Engineered Net Shaping)、DMD(Direct Metal Deposition)、EBAM(Electron Beam Additive Manufacturing)といった名称で呼ばれることもありますので注意が必要です。
レーザビーム方式
金属粉末を噴射し、高出力のレーザ光を照射することで金属パウダーを溶融池(メルトプール)に供給、固形化させます。ソフトウェアで処理された部品形状に沿うようにノズルと造形テーブルを移動させて形状を作っていきます。
DEDにおいては金属が高温で溶ける際に酸素と化学反応をして酸化してしまうと積層部分が脆くなり、精度が悪くなるという問題があり、酸素が入らないよう造形エリア全体をチャンバーで囲ったり、ノズルの周りにシールドガスを吹き付けて酸素が入らないようにして対策されています。
材料噴射法と同様に造形材料を吐出するしくみであるため、通常はオーバーハング形状を造形するにはサポートが必要になりますが、金属材料では造形物とサポートとの分離は困難です。そこで、造形物を固定する造形テーブル自体が5軸加工機のように可動したり、プリントヘッドが多関節ロボットの先端に取り付けられていて、造形物をサポート材を必要としない角度に調整することでオーバーハング形状でも問題なく造形することが可能な機種が存在します。一方、造形テーブルが固定されている機種はサポート材が必要になる形状(例えば45度以上の傾斜や球体のような形状)の造形には向きません。