【切削】穴あけ加工の概要(ドリル以外)
一般的に穴あけ加工といえばドリルを使用した加工方法が挙げられると思いますが、ドリル以外の工具を使用した加工方法があります。
タップ加工
穴あけ加工であけた穴にねじを切る加工のことを言います。タップという工具を使用してめねじの加工をすることができます。事前にあけておく穴の大きさや深さは、あけたいめねじの大きさや深さに応じて決定します。
リーマ加工
穴あけ加工であけた穴の形や大きさの仕上がりや、加工面をきれいにする穴加工に使用します。穴に真円度や位置度や円筒度といった幾何公差の指示があったり、穴径にはめ合い公差や寸法公差の指示があったり、内径に面粗さの指示があったりと加工精度を要求されている場合に使用する加工方法です。こちらも事前にあけておく穴の大きさや深さは、仕上げる穴の大きさや深さに応じて決定します。
ボーリング加工
リーマ加工と同じく、穴あけ加工であけた穴を広げ、穴の精度を向上させるための加工方法で、ボーリングバーを使用します。リーマはサイズを変更するには工具ごと変更しなければなりませんが、ボーリングバーはミクロン単位での穴径の調整が可能です。また、リーマ対応径より大きな精度穴を加工する際にはボーリング加工が必須になります。リーマ加工と同様に穴に真円度や位置度や円筒度といった幾何公差の指示があったり、穴径にはめ合い公差や寸法公差の指示があったり、内径に面粗さの指示があったりと加工精度を要求されている場合に使用する加工方法です。
座グリ加工
主に六角穴付きボルトを使用する穴に指定され、ボルトの頭を潜らせるための穴あけ加工のことを言います。加工精度を必要としない底面が平面な止まり穴加工にも使用されます。
皿穴加工
主に皿ねじを使用する穴に指定され、こちらもねじの頭が座面から出っぱらないように潜らせるための加工のことを言います。
ポケット加工
穴あけ加工などであけた穴を拡張するためにエンドミルを使用して加工する方法のことを言います。円弧指令をすることで精度の高い穴加工をすることができ、エンドミルのサイズにもよりますが、プログラム次第でどんな大きさの穴でもほとんど対応することが可能です。
しかし大きな穴になればなるほど工作機械の精度の影響を受けやすくなるため、真円度の要求のある加工には注意が必要です。
このほかにも様々な穴あけ加工方法が存在しています。図面を満たす加工として最も適した加工方法を採用することで効率よく高精度な加工が可能になります。