【放電加工】放電加工とは
放電加工とは
放電加工は、電気エネルギーを熱にかえて火花を起こし、金属を溶かして加工する方法です。
加工ワークと工具(電極)の数ミクロンのわずかなスキマで放電し、6000℃以上の熱と衝撃で金属をすこしずつ確実に削ります。
絶縁性のある加工液にワークを沈め、一秒間に1000~10万回の火花(アーク放電)を断続的にとばすことで、 ワークの表面を1ミクロンの精度で加工 します。そして高硬度材に対しても、複雑形状の精密加工が可能です。
(削りカスは加工液のなかで固まり、洗い流されます)
切削加工にくらべ加工時間がかかるため、「NC放電加工機」による無人運転が行われます。
放電加工は、EDM(Electrical Discharge Machining)ともよばれます。
放電加工(EDM)の種類と特徴
放電加工には、「形彫り放電加工」「ワイヤー放電加工(ワイヤーカット)」「細穴放電加工」の3つの加工方法があります。
- 形彫り放電加工:凸型の電極を使い、凹型の形を加工する
- ワイヤー放電加工:ワイヤー状の電極を使い、糸ノコのように金属を切断する
- 細穴放電加工 :棒状の電極を使い、金属に穴をあける
いずれの加工も、絶縁性のある加工液(脱イオン水や石油系の液)にワークを沈め、ワーク側に(+)、電極側に(-)の電流を流します。
(加工液によって、加工精度や生産性・コストが変わります)
ワークと電極の間には数ミクロンのスキマがあり、非接触で加工が行われます。
型として使われる「電極」は、市販の銅やグラファイト(黒鉛)など安価でやわらかい材質でつくられます。
ワークの硬さに制約がなく、ワークよりもやわらかい工具を使い加工できるのも特徴です。
金型や板金の加工現場では、さまざまな放電加工機が活躍しています。
参考記事:https://monoto.co.jp/edm/
はじめの工作機械 | 放電加工 – 放電加工(EDM)とワイヤーカット・型彫り放電を解説